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遺産分割のルールが改正されます【2022年7月号】No.188

浅岡会計事務所 insightreview

来年の4月から民法が改正され、長期(10年)にわたり遺産分割がされないままとなっている財産について、原則的に法定相続分で遺産分割されることになります。遺産分割がされないまま相続が繰り返されると、遺産の管理や処分が困難となり、所有者不明土地が生じる原因にもなります。これを解消することを目的に民法が改正されます。

◆ 具体的相続分と法定相続分

改正の最重要ポイントは、具体的相続分による遺産分割にタイムリミットが設けられ、相続開始時から10年を経過した後にする遺産分割は、原則として具体的相続分ではなく、法定相続分によることになります。
具体的相続分とは、法定相続分を前提に、個々の具体的な調整要素を修正した後の相続分を言います。たとえば、特定の相続人が生前に故人から遺産の前払いといえるような受益があるときや、特定の相続人が遺産の増加に特別の寄与をしたときです。
このような場合には、現存する遺産に法定相続分の割合を乗じるのではなく、生前にもらいすぎた相続人は遺産から受け取る金額を減らし、また、遺産の増加に寄与した相続人は遺産から受け取る金額を多く調整します。この調整後の遺産の相続割合を具体的相続分といいます。

◆ 長期化しそうなら、家庭裁判所へ

現行法による遺産分割は、相続開始(被相続人の死亡)時から何年経過した後に行っても、分割方法に制限はありません。しかし、遺産分割のないまま長期間が過ぎると、関係者の記憶も薄れ、書証等も集めにくくなるため、具体的相続分の算定は困難になります。
改正後は他の相続人が得た贈与が特別受益に該当する場合や、ご自身が被相続人に行った労務等の提供が寄与分にあたる場合などで、10年以内に遺産分割協議が調わない可能性がある場合には、10年を経過する前に、家庭裁判所にて具体的相続分による遺産分割請求を開始されることをお勧めいたします(10年経過前に遺産分割請求したものについては、改正後も引き続き、具体的相続分による分割ができます)。
なお、相続人全員が合意した場合は、10年経過後でも具体的相続分での分割も可能です。

◆ 施行日は2023年4月1日

この改正は、施行日前に被相続人が死亡した場合の遺産分割についても、改正法が適用されます。但し、経過措置により、相続開始時から10年経過時または改正法施行時から5年経過時のいずれか遅い時までに遺産分割請求がされた場合には、具体的相続分による分割が可能です。少なくとも5年の猶予期間があります。

◆ 所在不明の相続人がいる等、共有関係を解消できない場合

相続開始時から10年を経過したときは、裁判所の決定を得て、相当額の金銭を供託することにより、所在等不明共有者の不動産の持分を取得することができるようになります。

 

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VOL.188

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