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路線価が3年連続で上昇!【2024年7月号】No.208

浅岡会計事務所 insightreview

国税庁から、相続税や贈与税の算定基準となる2024年分の路線価(1月1日時点)が公表されました。全国約311万5千地点の標準宅地の平均は前年比で2.3%上昇しており、現在の算出方法となった2010年以降で最大の上昇率となっています。この路線価の上昇は、2022年以降3年連続で、2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が「5類」に移行し、コロナ禍からの回復基調を鮮明に反映した結果となっています。
また、都市部ではオフィスやマンションの需要が底堅く、都心の物件価格の高騰を背景に人気は近郊の住宅街にまで広がっており、世界的な半導体企業のTSMCが進出する熊本県菊陽町では2023年に続いて大幅に伸びています。

◆都道府県庁所在地の37都市で上昇

都道府県庁所在地の最高路線価が前年から上昇したのは37都市で、前年よりも8都市増えています。とくに駅周辺で再開発が進む千葉市(+14.9%)やさいたま市(+11.4%)では、10%台の高い伸び率となっています。標準宅地の変動率では、29都道府県で上昇し、5都道県では前年からの伸び率が5%を超えています。その中で上昇率が最も高かったのは、福岡県の5.8%です。福岡市内や近郊を中心に住宅地や商業地の需要が堅調だったことがあります。逆に下落したのは16県で、最も下落が大きかったのは、和歌山県の▲1.0%でした。
なお、路線価が全国一高かったのは、東京都中央区銀座5の「鳩居堂」前で、価格は1平方メートルあたり「4,424万円」です。こちらは、39年連続で全国トップとなり、前年比+3.6%と上昇率は前年を2.5ポイント上回っています。

愛知県の路線価は平均3.2%上昇

愛知県では、路線価が、平均で前年比+3.2%高く、上昇率も前年の2.6%を上回っています。これは、主要駅付近のマンション建設や再開発が主導しています。
愛知県内に20ある税務署それぞれの管内で、最も高い地点の路線価(最高路線価)は、18地点で前年から上昇し、2地点が横ばいとなりました。これで、下落した地点は2年連続でゼロとなり、県内全域で地価上昇が鮮明になっています。
愛知県内で最も高かったのは、再開発が進む名古屋駅前の地点で、前年比で0.6%高い1平方メートルあたり1,288万円でした。ただし、都心部の地価上昇には一服感もあります。新型コロナウイルス禍を経てリモートワークが普及したこともあり、オフィスの空室率はコロナ禍前より高い水準で推移しているからです。

一方、上昇が顕著なのが駅近くのマンション建設や再開発が活発な地域です。愛知県内で最高路線価の上昇率が最も高かったのは、刈谷市の刈谷駅北口付近の12.5%でした。名古屋市内でも駅周辺の再整備が進む金山駅周辺やマンション建設が盛んな御器所駅(昭和区)、今池駅(千種区)付近で、2桁の上昇率を記録しています。今池では、駅直結のマンション「ザ・ファインタワー名古屋今池」の建設が進んでおり、高級マンションの需要の多い地域で地価が一段と上向いているようです。

 

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VOL.208

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