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300万円以下の副業収入は雑所得に該当?【2022年9月号】No.190

浅岡会計事務所 insightreview

国税庁は、行政手続法に基づき『「所得税基本通達の制定について」(雑所得の例示等)』に対する意見募集を開始しましたが、その中で注目すべき改正案が
あります。
それは、副業収入等を念頭に、「事業所得」と「雑所得(業務に係る雑所得)」の判定基準などが示されていることです。副業収入が300万円以下の場合には「雑所得(業務に係る雑所得)」に該当することになるため、これまで散見されていた副業収入を事業所得で申告して、青色申告特別控除を適用するケース等が封じられることになりそうです。今のところ、令和4年分以後の所得税に適用される予定です。

副業収入等を念頭に「雑所得」の範囲を明確化

国税庁では、シェアリングエコノミー等の「新分野の経済活動に係る所得」や「副業に係る所得」についての適正申告のための環境づくりに努めている中で、これらの所得について、所得区分の判定が難しいといった課題があったようです。

例えば、副業に係る所得は、雑所得に該当することが基本になるものの実態としては、事業規模に至らないにもかかわらず、事業所得で申告して青色申告特別控除を適用するケースや、損失が生じた場合には給与所得等と損益通算するケースなどがあります。これらについて、今回公表された改正案では、シェアリングエコノミー等の新分野の経済活動に係る所得や副業に係る所得を念頭に、雑所得の範囲の明確化が図られています。

暗号資産取引による所得は「その他雑所得」に該当

雑所得は、「公的年金等に係る雑所得」、「業務に係る雑所得」、「その他雑所得」の3つに区分されます。今回公表された改正案では、まず、「その他雑所得」について、現行の「雑所得の例示」が「その他雑所得の例示」に見直された上で、その範囲に“譲渡所得の基因とならない資産の譲渡から生ずる所得”が含まれることが明確化されています。

また、「業務に係る雑所得」については、具体的には、デジタルコンテンツの販売による所得などといった“営利を目的として継続的に行う資産の譲渡から生ずる所得”が含まれることが明確化されています。

副業収入に係る損失と給与所得等との損益通算が不可に

さらに、改正案では、「事業所得」と「雑所得(業務に係る雑所得)」の判定基準も示されました。「事業所得」と「雑所得(業務に係る雑所得)」のいずれに該当するかは、“その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうか”で判定することが原則としています。ただし、例外的に、“その所得が、その者の主たる所得でなく、かつ、その所得に係る収入金額が300万円を超えない場合”には、特に反証のない限り、「雑所得(業務に係る雑所得)」に該当するとしています。

つまり、改正後は、収入金額が300万円以下の副業に係る所得は「雑所得(業務に係る雑所得)」に該当することとなってしまい、事業所得での申告による「青色申告特別控除の適用」や「損失が生じた場合の給与所得等との損益通算」などは行えないことになるのです。

収入金額300万円超は“社会通念上の事業”か否かで判定

その改正案では、収入金額が300万円以下の場合について、特に“反証がない”限り「雑所得(業務に係る雑所得)に該当するとされています。反証がある場合とは、例えば、継続して事業所得で申告していたものの、新型コロナの影響などといった特殊な事情により、収入金額が300万円以下になった場合等が挙げられています。

また、逆に収入金額が300万円超であれば、自動的に「事業所得」に該当するわけではないようです。収入金額が300万円超の場合には、原則どおり、“その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうか”で「事業所得」と「雑所得(業務に係る雑所得)」のいずれに該当するかを判定するとのことです。これが改正されると、副業収入がある人にとっては大きく影響してくるので、今後の改正動向には注視が必要です。

 

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