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経営資源集約化税制が制度化へ【2021年2月号】No.174 

浅岡会計事務所 insightreview

2021年度税制改正で注目される制度

中小企業向けの2021年度改正で注目されているのが、経営資源集約化税制です。その目玉は、M&A実施後のリスクに備えた準備金制度です。
また、これまで制度毎に認定が必要だった経営力向上計画についても、1度の計画認定によって、中小企業経営強化税制と所得拡大促進税制の上乗せ措置の適用が可能となります。

中小企業経営強化税制にD類型を新設

中小企業経営資源集約化税制は、認定を受けた経営力向上計画に基づくM&Aを行った場合に、下記(1)から(3)の税制措置が適用可能になります。

  1. M&A実施後の積極投資や雇用確保を促す観点から、準備金制度の適用が認められること
  2. 中小企業経営強化税制(即時償却等)の適用
  3. 所得拡大促進税制の“上乗せ措置‘の適用を容易化

また、この制度により、①中小企業経営強化税制の新たな類型(D類型)の適用が可能となること、②計画認定は1度で完了することが、大きなポイントでもあります。

①は、M&Aの効果を高める設備として、新たに追加される「経営資源集約化設備(D類型)」の適用を可能とするものです。修正ROA又は、有形固定資産回転率が一定以上上昇する経営力向上計画を実施するために必要不可欠な設備とされており、「自社と取得した技術を組み合わせた新製品を製造する設備投資」や「原材料の仕入れ・製品販売に係る共通システムの導入」等の例が想定されています。

②は、中小企業経営資源集約化税制における上記(1)~(3)の3つの税制措置が、いずれも経営力向上計画の認定が前提となっていることを踏まえたもので、それぞれ個別に計画認定を受ける必要がなくなり、1度の認定で全ての税制措置の適用が可能になるということです。
一方で、各税制措置の他の適用要件は、通常通り満たすことが必要となるので注意が必要です。例えば、所得拡大促進税制については、「経営力向上要件」により“上乗せ措置”を適用するケースが対象となり、「雇用者給与等支給額の対前年比の増加割合が2.5%以上」という要件だけは満たすことが必要となります。ただし、今回の措置により改めて計画認定を受ける必要はなくなりました。

 

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VOL.174

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