【2020年2月号】No.163 令和2年度税制改正大綱の概要について
令和2年度税制改正大綱の概要について
昨年12月末に閣議決定された令和2年度の税制改正大綱の概要についてご紹介いたします。
正式には、現在会期中の通常国会にて決定される予定です。
◆個人所得課税
- NISA制度の見直し・延長
・積立NISAを5年延長(2023年まで 20 年の積立期間を確保)
・一般 NISA については、一階で積立投資を行っている場合には二階で別枠の非課税投資を可能とする二階建ての制度に見直した上で、5年延長
・ジュニア NISA については、延長せずに 2023年末で終了 - エンジェル税制の見直し
・法定の項目に拠らず「成長性」を確認し、都道府県に代わってエンジェル税制対象企業の証明を行える者に認定クラウドファンディング業者を追加
・投資額を総所得金額から控除する優遇措置の対象に、設立後3年以上5年未満で一定の試験研究を行っているベンチャー企業を追加 - 低未利用地の活用促進
・保有期間5年超、上物を含めて譲渡価格 500万円以下等の要件を満たす低未利用地の譲渡所得に100万円の特別控除を創設 - 国立大学法人等に対する個人寄付の促進
・国立大学法人等への個人寄附について、その寄附収入がイノベーティブな研究に挑戦する若手研究者への研究費助成事業等に充てられる場合には、税額控除を選択できることとする - 未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(夫)控除の見直し
・未婚のひとり親に寡婦(夫)控除を適用する
・寡婦(夫)控除について、下記事項を見直す▪ 寡婦に寡夫と同等の所得制限(所得500万円(年収678万円))を設ける
▪ 住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がある者を対象外とする
▪ 子ありの寡夫の控除額を子ありの寡婦と同額へ(所得税:27万円⇒35万円、住民税:26万円⇒30万円) - 国外居住親族に係る扶養控除等の見直し
・所得要件(38万円未満)が国内源泉所得のみで判定されるために、国外で一定以上の所得を稼得している国外居住親族でも扶養控除の対象にされているとの指摘を踏まえ、令和5年分以後の所得税につき、留学生や障害者、送金関係書類において38万円以上の送金等が確認できる者を除く30歳以上70歳未満の成人について、扶養控除の対象にしないこととする ※ 個人住民税についても同様 - 私的年金等に関する公平な税制のあり方
・私的年金等について、以下の見直し等が行われた後も、現行の税制上の措置を適用する▪ DC(企業型・個人型)等の加入可能要件の見直しと受給開始時期等の選択肢の拡大
▪ 中小企業向け制度(簡易型 DC・iDeCo プラス)の対象範囲の拡大
▪ 企業型 DC 加入者の iDeCo 加入の要件緩和 等 - 森林環境譲与税の見直し
・令和2年度から令和6年度までの森林環境譲与税について、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金を活用することとし、各年度の譲与額を見直す等の措置を講ずる
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