「新型コロナウイルス関連倒産」が拡大へ【2022年10月号】No.191
長引く新型コロナウイルス禍に起因する企業倒産が、ジワジワと広がってきているようです。帝国データバンクによると、9月の倒産件数は126件でしたが、2020年以降の月平均での倒産件数の推移をみると、2020年は、70件/月だったのが、2021年には146件/月、2022年になってからは、176件/月と対前年比で20%も増えてきています。実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)などの支援を受けたものの、過剰債務で再建を断念する「息切れ倒産」が生じ始めているようです。
2022年9月末までの判明分を集計したコロナ関連倒産で最も多いのが、飲食業です。話題になったものとしては、横浜中華街の老舗「聘珍楼横浜本店」を経営する聘珍楼(横浜市中区)が横浜地裁から破産手続きの開始決定を受けたり、佐賀県庁の展望階レストランなど計4店の飲食店を運営するサンタフーズ(佐賀市)が、7月末で事業を停止し、自己破産申請の準備に入っています。
飲食店の苦境の背景には、休業や時短営業の協力金支給の終了後も客足がコロナ禍前の水準に戻っていないことがあります。コロナ禍で当面の運転資金として融資を受けたものの、客数はコロナ前を下回り、返済に必要な資金の確保が充分にできていないのが実状です。今の状況が続けば、さらに閉店を考えなければならない店は増えそうです。
ゼロゼロ融資や協力金などで、倒産件数は歴史的な低水準に抑えられてきましたが、徐々に破綻が表面化してきています。
帝国データによると、コロナ関連以外を含む全体の倒産件数は、まだ感染前の7割ほどの水準ですが、コロナ関連倒産は2022年に入って一貫して増えているとのことです。コロナ前から業績不振だった企業を中心に、感染長期化による景況低迷に耐えきれなくなっているとみられています。
日本政策金融公庫によると、2021年3月末までに実行されたコロナ関連融資の57%は、2022年3月末までに元金返済が始まっています。全体の13%は予定通りの返済が難しいとして、追加融資や条件変更を申し出たといい、重い返済負担が倒産を急増させている一因にもなっています。
全国信用保証協会連合会のまとめによると、融資を返済できなくなった事業者の返済を肩代わりする代位弁済の件数は、7月に前年同月比で40%も増えていると報告されています。中小企業の大半は客数減だけでなく、足元の原材料価格上昇にも苦しんでおり、経営環境はさらに厳しくなってきています。
同連合会によると、保証債務残高は、7月時点で約41兆円となっており、コロナ前(2019年度)の約2倍に膨れ上がっています。ゼロゼロ融資により、過剰債務に陥った事業者もあるので、感染がある程度収束しても、倒産の増加傾向は変わらないかもしれません。
年末調整に必要な書類が郵送されてくる時期です
弊所で年末調整をさせて頂いている皆様には、各担当からご案内いたしますが、10月中旬頃から、各種申告書や保険料控除証明書など年末調整に必要な書類が送られてきます。
お預かりは、すべて揃った段階で行う予定ですので、くれぐれも、紛失されないようにご注意ください。
続きをお読みいただく場合は、下記リンクから全ての記事をご覧いただけます。