7月1日路線価発表【国税庁】
今年も路線発表の時期がやってきました。
評価時点は1月1日ですが、全国津々浦々の土地で膨大な量があるため、毎年公表は7月1日になります。
国内の土地評価の指標には、公示地価、路線価、基準地価などがあります。
その中の路線価についてお伝えしたいと思います。
路線価には「相続性路線価」と「固定資産税路線価」の2種類があります。
路線価とは
路線価は、国税庁のホームページにある“路線価図・評価倍率表”で調べることができます。
路線価は、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(千円単位で表示)のことであり、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用います。
なお、路線価が定められていない地域については、その市区町村の「評価倍率表」を確認します。
路線価はいつ使用するの?
土地の相続、贈与で土地を取得、不動産の購入するときの計算で使用します。
ただし、路線価はあくまで目線なので、詳細は税理士含め専門家に依頼することをお勧めします。
2022年の路線価
今年は、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた不動産市況に持ち直しの動きが出てきたようです。
これによると、前年の約3倍となる20都道府県で平均値が上昇しました。全国平均も2年ぶりにプラスとなり、在宅勤務の拡大などで東京都心で下落し、郊外で上昇するコロナ禍での変化が映し出された結果となっています。
2022年の全国の状況
全国平均では、前年比で0.5%上昇しました。前年はマイナスだった東京、大阪、愛知など13都府県がプラスに転じ、3都府県が都府県がプラスに転じ、
上昇した都道府県は前年の7から20に増えています。逆に、平均値が下落したのは静岡や兵庫など27県(前年は、39都府県)で、横ばいはゼロでした。
特徴的なのは、再開発が盛んな地方の主要都市で上昇が目立ったことです。全国トップの4%上昇となった北海道は、
札幌市でJR北海道などが複数の高層ビルの建設を計画しており、コロナ禍からの経済回復をめざし、商業施設やマンションの新設を進め、市中心部の活性化につなげています。都市別では、千葉市の5.1%がトップの上昇率です。
東海圏における路線価の状況
◆地価上昇は愛知県が中心
では、この中部3県(愛知、三重、岐阜)における路線価の動向はどうでしょうか。
国税庁の発表によると3県に計35ある税務署管内で最も高くなった地点の路線価(最高路線価)は、全体の半分となる17地点で前年より上昇しています。
2さらに、全体の30%にあたる11地点では、新型コロナウイルス禍前の2020年を上回っています。コロナ禍真っ只中の2021年は、上昇地点がゼロだったのですが、名古屋市内の繁華街・栄で再開発が進み、地価が上昇し始めています。
次に静岡県を加えた中部4県の標準宅地の評価基準額をみると、前年比0.2%上昇(前年は1.3%下落)で、愛知県は1.2%上昇(前年は1.1%下落)となっています。それぞれ2年ぶりにプラスに転じており、県別にみると、上昇は愛知県のみで、コロナ禍以前の水準を上回る地点があるのは、愛知県が中心です。
2020年分との比較で上昇した11地点のうち、上昇率が最も大きかったのは、栄の複合施設「オアシス21」向かいの名古屋市東区久屋町8丁目です。ここは上昇率で8.7%、1平方メートルあたり350万円となっています。
この地点の近隣にあり、公共スペースとして利用されてきた「栄広場」の跡地では、2026年の完成を目指し、ヒルトンの最高級ブランド「コンラッド」が入居する高さ211メートルの複合ビルが建設中です。
現在、名古屋の栄地区は、中日ビル建替えや栄広場の跡地など再開発計画が多く、完成するまでの栄の路線価については、しばらく上昇傾向が続くものと思われます。
前年分と比べ、最高路線価が上昇したのは17地点でした。名古屋市内の3地点である、東区久屋町8丁目、「JPタワー名古屋」北側の西区牛島町、新洲崎ジャンクション近くの中川区西日置1丁目に加え、名古屋鉄道豊田市駅前の豊田市西町1丁目の計4地点では、5%以上も上昇しています。
なお、名古屋市内で最高価格なのは、18年連続でJR名古屋駅前の名古屋市中村区名駅1丁目で、1平方メートルあたり1248万円と1.3%の上昇です。
◆下落した地点は?
逆に今回下落したのは6地点あります。その中でも、下落率が8.3%と最も大きかったのは、JR高山駅東側の高山市上三之町でした。
高山市によると、2021年の観光客数は、コロナ禍前(2019年)の40%の水準にとどまっています。
外国人の観光客はほぼゼロであり、台湾などからの訪日客でにぎわっていた同地域にとっては、厳しい状況が続いています。下落率が全国最大だった大阪市中央区の繁華街・ミナミに次いで、高山市上三之町は、全国2番目の下落率になっています。
三重県では、JR津駅前の津市羽所町は、最高路線価が19万円と2021年の19万5千円を下回っています。
また、伊勢神宮の参道に近い伊勢市宇治今在家町は、前年と同額の24万円でした。
人出が戻りつつある状況ですが、訪日客の受け入れはまだ本格化しておらず、地価の動きは停滞したままのようです。
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