売上減に対する月次支援金【2021年5月号】No.176
経済産業省は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として発令されている「緊急事態措置」や「まん延防止等重点措置」により、休業や営業時間短縮をしている飲食店や外出自粛などの影響を受けている中小法人と個人事業者に対して継続的な「月次支援金」を6月より開始することをと発表しました。
対象は、外出自粛や時短要請によって2021年の月間売上が、2019年又は2020年の同月の月間売上と比較して、50%以上減少している事業者が対象になります。ただし、地方公共団体から協力金を支給されている(都府県などの協力金など)場合は対象外となる場合がありますので注意が必要です。
2021年3月の一時支援金との違いは、一時支援金が対象期間いずれかの月の売上が2019年または2020年の売上と比較し50%以上減少していれば給付対象となったのに対し、月次支援金は各1月ごとの単位で判断します。
また、月次支援金の申請にあたっては、不正受給や誤申請の対策として、給付条件を満たしているかを形式的に確認する「登録確認機関」への事前確認が初回のみ必須(一時支援金申請事業者は不要)となるほか、申請月の帳簿書類や2019年又は2020年度の確定申告書(一時支援金申請事業者は不要)、通帳、確認書類、宣誓・同意書などを用意する必要があります。一時支援金を申請した事業者は同IDを利用し、月次支援金の申請をすることができ、前述の通り提出書類も一部が簡略化されています。
対象 |
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給付額 | (2019年又は2020年の基準月の売上高) – (2021年の対象月の売上高)
中小法人等・・・・・上限20万円/月
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なお、詳しくは、下記の月次支援金の特設サイトをご参照ください。
https://www.meti.go.jp/covid-19/getsuji_shien/index.html
相続登記の義務化へ所有者不明土地法が成立
所有者が分からない土地の問題を解消するための関連法が、国会で可決、成立しました。2024年を目処に土地や建物の相続を知った日から3年以内に登記するよう義務づけられます。また、それにあわせて相続登記の手続きも簡素にされます。また、管理が難しい場合には、相続した土地を手放して国庫に納められる制度も新設されます。これにより、公共事業や都市部の再開発の妨げとなるような所有者不明の土地が発生するのを防いで、有効利用しやすくする目的もあります。
また、名義人が複数いる土地や建物の管理制度も設けます。土地を共有する一部の人が誰なのかが分からなくても、裁判所の決定を得るなど一定の条件下で用途変更や売却を可能にします。 これまで所有者不明で取引できなかった土地の取引の機会を増やし、休眠状態にあった不動産の流動性を高めたい考えです。
現在は、相続時に遺族が登記手続きなどをせず、登記上誰が持っているかを確認できない所有者不明の土地面積は日本全体の2割にのぼります。これまで相続登記は、相続人全員の戸籍などを集める必要がありましたが、不動産登記法を改正し、相続人が複数いても、そのうち1人が申し出れば簡易に手続きできる制度を設けます。代わりに、土地の相続時の名義人変更を義務とし、相続した人を国が捕捉できるようにします。また、申告しなかった場合には、10万円以下の過料が科されます。
一方、山林など利用価値の低い土地を相続した場合、土地の上に建物がないなどの条件を満たせば、土地を国庫に納付できる制度を導入します。各地の法務局による審査を経て、10年分に相当する土地の管理費を納めれば、土地を手放せるようになります。所有者が分からない土地の増加に伴い、地方自治体や企業が、所有者を特定する手間が増えたり、開発できずに景観を損ねたりする問題が生じていたことに対処していくことになります。
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