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下請法改正により、振込手数料は買手負担

浅岡会計事務所 insightreview

2026年1月1日から、下請法が中小受託取引適正化法(取適法)に改められ、対象となる事業者や取引の拡大などが行われます。

※ 取適法の改正については、次項目で解説

この改正について税務上注意が必要なのは、振込手数料が売手負担であった場合です。新たなルールに注意しながら、経理処理や税務上のポイントについて解説します。

◆売手負担の振込手数料が禁止

下請法では、書面での合意があれば、振込手数料の負担を下請事業者(=売手)とすることが可能でした。これが改正された取適法では、合意の有無にかかわらず、委託事業者(=買手)が振込手数料を中小受託事業者(=売手)に負担させ、代金から差し引くことは違反になります。

取適法の対象となる取引を洗い出し、代金振込の場合は、振込手数料がどちらの負担となるのか確認が必要になります。

◆経理処理の変更にも注意

振込手数料が買手負担であれば、これまでと変わりません。他方、売手負担である場合には、取引内容の変更の他、この変更に伴う経理処理、特に消費税の対応に注意が必要です。

  1. 売手側
    これまで売手負担であった場合には、この負担がなくなります。仮に振込手数料相当額を売上値引きとしていた場合は、この経理処理が不要となり、売上げに係る対価の返還等などの消費税に係る処理も不要となります。
  2. 買手側
    上記(1)のように値引きとしていた場合には、買手負担となることで、買手側は仕入値引きの経理処理の他、仕入れに係る対価の返還等などの消費税に係る処理も不要となり、通常の振込手数料の経理処理のみとなります。
    インボイス対応も同様です。これまでの処理状況に応じて変更を行いましょう。

◆適用は発注日ベースで

取適法は、2026年1月1日以降に発注する取引からの適用です。そのため、負担が変わる場合であっても、1月の振込は、従前のままの可能性も考えられます。変更はいつからなのか、取引内容がわかる書類で確認しましょう。

下請法から取適法に改正で何が変わるのか?

下請法から取適法に改正で何が変わるのか

従来、下請取引の公正化と下請事業者の利益保護のため、「下請法」によって規制がされていました。下請法の適用対象は、取引の内容(製造委託や役務提供委託など)と事業者の資本金の2点によって決められており、その取引に当たっては親事業者の義務及び禁止行為が定められ、違反事業者には、公正取引委員会や中小企業庁から指導がありました。

また、下請事業者に与える不利益が大きい場合には公正取引委員会から勧告が行われ、違反行為の是正とともに、違反行為の内容や違反した事業者名の公表などが行われていました。

 

続きをお読みいただく場合は、下記リンクから全ての記事をご覧いただけます。

VOL.223

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