約束手形の支払期間を短縮化へ【2024年6月号】No.207
◆ 2024年11月以降、下請法の運用ルールが変更
中小企業庁では、中小企業の取引適正化の重点課題の1つに「支払条件の改善」を位置づけ、業種別の下請ガイドラインや自主行動計画などを通じ、約束手形、電子記録債権、一括決済方式による下請代金支払のサイト(交付から満期日までの期間)の短縮を推進してきました。2024年11月以降は、下請法上の運用が変更され、サイトが60日を超える約束手形や電子記録債権の交付、一括決済方式による支払は、行政指導の対象となります。
サイトの短縮は、下請法の適用対象とならない取引も含め、サプライチェーン全体で取り組むことが重要となりますので、中小企業庁では、公正取引委員会と連名で、各事業者団体等に対する要請文も出しています。
中小企業庁及び公正取引委員会は、1966年以降、業界の商慣習、親事業者と下請事業者との取引関係や金融情勢等を総合的に勘案し、繊維業は90日、その他の業種は120日を超えるサイトの手形等を、下請法が規制する「割引困難な手形」等に該当するおそれのあるものとして指導してきました。
こうした長期の手形等が、下請事業者の資金繰りの負担となっていることなどを踏まえて、中小企業庁では、中小企業の取引適正化の重点課題の1つに「支払条件の改善」を位置づけ、業種別の下請ガイドラインや自主行動計画などを通じて、手形等による支払期間の短縮を推進してきたところです。
2021年から下請法の運用の見直しについて、検討を行っており、そして今般、改めて各業界の商慣行、金融情勢等を総合的に勘案して、意見公募手続を経た上で、サイトが60日を超える手形等が、下請法上の「割引困難な手形」等に該当するおそれがあるものとして、指導対象とする運用の見直しを、公正取引委員会が公表したのです。
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